これらの対策を講じてもなかなか胸焼けの痛みが緩和されずにいることもあるかと思いますが、もしそうなった場合はやむを得ず、薬を飲むのも方法ですが、ここではあえて「やむを得ず」という表現を使います。
なぜ「やむを得ず」かというと、そもそも薬というのは「痛みを一時的に緩和させるための物」であって、
ですから完全に治癒させることを目的とするならば、前述のように生活習慣や食習慣の見直しと長期間に及ぶ治療が必要となります。そこを予めご理解ください。
胃薬のセレクト
皆さんは胃薬には2種類あることをご存知でしょうか。一つは消化を促進させることを目的とした胃薬。もう一つは出すぎた胃酸を抑える胃薬があります。
これらの違いを市販薬で見た場合、消化を促進させる、つまり胃酸を出す胃薬の箱には「飲みすぎ、食べ過ぎ」と書いてあります。一方、出すぎた胃酸を抑える効果のある胃薬には「胃痛、胸焼け」と書いてあります。
従って効果が全く違う為、
ので、注意が必要です。一般的には年末になるとテレビコマーシャルなどで頻繁に出てくる胃薬は「消化促進系の胃薬」で「H2ブロッカー配合」などとCMで流れる胃薬は「胃酸抑制系」の胃薬だという違いを認識をして頂ければ問題ないかと思います。
逆流性食道炎に効くタケプロン
逆流性食道炎の症状は出過ぎた胃酸を自分自身でコントロールできなくなることに大きな原因があります。
それを薬の力を借りてコントロールするのが、プロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬です。そしてプロトンポンプ阻害薬の中でも有効成分が多く含まれている胃薬が医師から処方されるタケプロン。
タケプロンは胃酸を分泌するプロトンポンプに直接作用し胃酸を意図的に出さないようにします。こうする事で胃の中の胃酸は適切な量でコントロールされるのです。
逆流性食道炎は胃酸が何らかの理由で出過ぎることで発症する激しい胸やけや吐き気が主な症状なのですが、これを放置していると最終的には胃潰瘍や十二指腸潰瘍、果ては胃がんや食道がんの原因ともなりかねません。
基本的には医師にしっかりと症状を話し、医師から処方される薬で治療したほうが完治の最短ルートとなるのですが、やはり中には仕事が忙しくて病院へ行くことが出来ないとか、医師が苦手という方も多くいらっしゃると思いますので、こういった方はやはり市販薬で治療していくしかないのかもしれません。
ただ治療する際に、一つだけおぼえておいて頂きたいことは、逆流性食道炎は出過ぎた胃酸が原因であり、胃に胃酸を出すように命令している機能がプロトンポンプ。
従ってそのプロトンポンプ機能を止めてしまう薬を服用することで、症状はかなり改善します。最寄りの薬局でお薬を選ぶ際の参考にしてみてください。