治療する上で最も手っ取り早い方法は病院へ行くこと。これに尽きますが、ここでは病院へ行かずに治療する方法をご紹介します。
ただし逆流性食道炎とは一種の「癖」のようなものでちょっと症状が改善したからといって、もう完全に治癒されたとは思わないようにしてください。
一時的に症状が緩和されても、またすぐにもとの状態に戻ってしまうこともありますので、考え方としては根気よく治療するというスタンスを取ってください。
そもそも逆流性食道炎とはいくつかの条件が合致した時に、症状が発症するわけですから、その対策も複合的な対策が必要です。
まず、前述のようによく噛むことは当然ですが、タバコは辞めること。タバコを吸うと必要以上に胃酸が分泌されます。
また喫煙習慣とは食後空腹時問わず、吸いたくなった時が喫煙タイムになるわけですから、空腹時も当然タバコが吸いたくなりますし、ストレスを感じたときなどもタバコに手が伸びてしまいます。
特に空腹時の喫煙はとても危険で出すぎた胃酸の逆流もありますが、胃酸で胃そのものが傷んでしまうリスクがあるのです。したがって逆流性食道炎を
また食後、そのまま寝てしまったり、寝なくても横になったりすると、たべたものが逆流し食道を痛め、胸焼けの原因となります。もし寝てしまいそうなのであれば、寝てしまわないような生活の工夫が必要です。
食後の運動は好ましくないのでお勧めできませんが、たとえばテレビゲームをやってみる。テレビゲームは意外と脳を使うので、眠たくならず、ゲームそのものに集中できるため大変お勧めです。
逆流性食道炎とお酒
飲酒も控えるべきでしょう。逆流性食道炎にとってお酒を飲む行為はあまり好ましくありませんが、特に好ましくないお酒は炭酸が入ったお酒、スピリッツ系の強いお酒、ウイスキーなどの蒸留酒。
炭酸系のお酒そのものはアルコール自体が低く、一見問題なさそうな気がしますが、
げっぷがたくさん出るため、飲んだものが胃から上がって来やすいのです。またスピリッツ系のお酒も炭酸で割ったり、柑橘系のもので割ったりしますが、柑橘系も食道にはあまり良くありません。
ですが社会人ともなるとお酒を飲む機会も多く、なかなか一刀両断に断れないシーンも多いと思いますので、絶対に飲んではいけないとは言いませんが、できるだけ飲酒は控えるようにして頂き、もし飲むときは牛乳で割るようなアルコールを(種類は限られてきますが)取るようにしましょう。
牛乳とはタンパク質の塊で、胃に流れて行くことで胃酸と混ざり固まります。そしてそのタンパク質が胃を守ってくれるのです。
ですから牛乳で割ったお酒はまだ胃に優しいといえます。飲酒というのは食欲の増進作用や、体の血流を促進させる効果がありますが、逆流性食道炎の治療をしていく期間中の飲酒はあまりお勧めしません。
飲むことで胃酸が出すぎてしまうのです。また、
胃袋が胃酸で溢れ、寝ている時などそれが上がってきて嘔吐する原因ともなりかねません。ですから治療中の飲酒も出来るだけ控えるようにしましょう。
アルコールが良くない理由
アルコール類のお酒が逆流性食道炎になぜ良くないのかを理解しておきましょう。
そもそも逆流性食道炎になっている理由である胃と食道の間に胃の内容物や胃酸が逆流しないように弁の役割をしている括約筋がありなんらかの原因で正常に機能せず逆流しているのですが、アルコールには筋肉を鈍くする働きがあるのですがアルコールを摂取するとこの括約筋も同様に鈍くなります。
もう少し詳しく言えばアルコールを摂取することによってコレシストキニンの分泌を増加させると報告されています。このコレシストキニンが
のですが、コレシストキニンは十二指腸粘膜から脂肪を消化させる膵臓の酵素で消化管ホルモンの一つです。特にビールやワインがこのコレシストキニンを増加させると言われています。
そしてアルコールの作用はそれだけではありません。胃酸の分泌を増やしたり、胃の粘膜を傷つけたり、胃そのものの働きを抑制するといった事も起こりますので逆流性食道炎を発症させる原因、引き金にもなりますし、悪化させることにもなるのです。
ちろんアルコールの度数が高ければ直接食道を刺激することにもなります。そしてビールやチューハイなどに含まれる炭酸ガスが胃の内圧を高め逆流を起しやすくすると言った側面もあります。
多量のお酒を飲むとこれらの要因がかさなり逆流性食道炎を引き起こすのでお酒を注意して飲まないといけないのです。
逆流性食道炎の治療中はなるべくお酒を避けなければならない理由はご理解頂けたと思います。逆流性食道炎の
どうしても飲まなければならない場合は適度に抑えることはもちろんの事、水割りなどにしたり飲み方にも注意しましょう。
そしてアルコール摂取してすぐに横になるのも良くありませんので就寝前に飲酒をしないという事も心がけましょう。
逆流性食道炎の症状を緩和する寝方とは?
逆流性食道炎の症状として寝ているときの激しい咳や、激しい吐き気がありますが、そもそも人は睡眠に入った数時間後から胃酸の分泌活動が盛んに行われるといわれており、そういった背景から、睡眠時に胃酸が逆流し突如激しい吐き気が襲う、または嘔吐してしまうといったことが起こります。
ではこういった症状を防ぐにはどういった対策が出きるかというと、まず人体の構造分析からできる対策になりますが、要は逆流した胃酸が食道に流れ込まないようにすれば良いわけで、対策として「枕の高さを低くしない」または「頭の沈むような枕で寝ない」ことが重要です。
実際寝ているときの頭の位置が低いと寝ているときに胃酸が食道に流れ込みやすくなります。しかし頭の位置が高いところにあると、食道が緩やかに傾斜状となるため、胃酸が逆流する可能性は低くなります。
しかし極端に高い枕となると寝ることそのものが負担となりますので、形としては横から見て緩やかな山のような形をしているものが望ましいでしょう。
つまり寝たときに首を支えるようなタイプで、CPRなどで気道確保するような姿勢になる枕がベストです。
また寝ているときの姿勢も重要です。仰向けに寝るといくら枕の位置を高くしても、胃酸が逆流する可能性があるため、寝返るときも胃酸が逆流しない姿勢として右向きに寝ることが望ましいでしょう。
胃袋は左上部に食道とつながる管があるため、その管に胃酸が入り込まないようにするためには、右向きに寝るのが効果的なのです。
しかしこの寝方に関しては確証がなく、どんな姿勢であったとしても逆流性食道炎の場合胃酸は逆流してきますし、それは不意に逆流することもあります。
物理的に考えて逆流する要素の無い、立っているような場合でも逆流することはありますから、寝ている姿勢だけで症状が緩和するとは考えにくいのですが、寝る姿勢以外にも、食後すぐに寝ないとか、深酒してすぐに寝ない、また腹部を圧迫しない服装を心がけるなど、寝る姿勢以外、できるだけ胃酸の逆流する要素を減らす努力が重要です。
食事を取った直後というのは空腹時に比べ大量の胃酸が出ますし、飲酒や喫煙による胃酸分泌も空腹時に比べると非常に多いのが特徴。
大量の胃酸が分泌されれば当然は胃や食道は荒れます。この荒れた部分が最終的に悪性腫瘍化するリスクを孕んでいるのです。
しかし食生活や生活習慣を改善することで、こういったリスクを回避すること出来ますし、逆流性食道炎からのがん発症を抑えることが出来ます。
つまり寝ている姿勢も重要ですが、それ以前に食生活や生活習慣を改善することがこの病気に対する処方の第一歩なのです。