最近、テレビやネットでこの逆流性食道炎の言葉をよく耳にすることがありますが、これは急に世間から注目を浴びるような病気だったのでしょうか。
いいえ、逆流性食道炎自体、ずっとある病気で、具体的な症状は食事もしていないのに胸焼けがする、寝ているときに胃酸が上がってくるような感じで眠れない。
または胃酸が喉を焼くような感覚で急に咳き込むといったような症状。ひどい場合は空腹時でも胃酸を嘔吐することもあります。
このように逆流性食道炎とは、重度な胃酸過多の症状に近く、なかなか病気であることに気づきにくいのが特徴。事実、H2ブロッカー配合の市販胃薬を服用することで、一時的に症状は緩和されますので、「もたれやすいものでも食べたかな」くらいの軽い気持ちで治ったと錯覚してしまいがち。
しかしまた数日後ひどい胸焼けに苛まれ、苦しむことになります。逆流性食道炎は治らない病気ではありませんが、
しかも放置を続ければ胃がんや食道がんの原因ともなりかねない為、大変恐ろしい病気です。では具体的にどういった症状が逆流性食道炎として疑われるのか?ご自身でチェックしてみましょう。
これらのチェック項目でいくつ該当があったでしょうか。もしこの10項目の中で5個以上該当項目があれば早急に消化器科の受診をお勧めします。
そもそも逆流性食道炎の原因はさまざまあり、それがタバコや暴飲暴食といった食生活や運動不足からくる肥満体質などの生活習慣に起因するものもあれば、健康的な生活習慣であったとしても過度のストレスから来る自律神経系の不調に起因するものまで様々。
しかしこういった原因になかなか気がつかない場合も多く、症状から一時的な胸焼けと錯覚し、病気とは気づきにくい場合もあります。
また医師からの治療を行うにしても長期化する場合が多く、本当に完治させたいと思うのであれば、根気よく治療する心構えが大事です。
放置していれば、胃がんや食道がんのリスクを高める恐ろしい逆流性食道炎。逆流性食道炎は治らない病気ではありません。一度医師の受診を受けてみてください。
逆流性食道炎と肥満食生活のチェック
逆流性食道炎を引き起こす要因として生活習慣がありますが、その生活習慣の中でも比較的大きなウェイトを占めているのが食習慣です。実は毎日の食生活が胃に大きな負担をかけている可能性があるのです。
ここでは逆流性食道炎を食事の観点から検証し、逆流性食道炎を引き起こしやすい食事方法や食べ物とはいったいどういうものがあるのかを検証していきたいと思います。
人が生きていくには食べていかなくてはなりませんが、もし逆流性食道炎の疑いがあるのであれば、その食事方法やメニューを考えていかなくてはなりません。
好きなものを好きなだけ食べていたとしたらそれは改めなくてはならないでしょう。理由は簡単。逆流性食道炎とは食べることが大好きな人ほどなりやすい症状だからです。
食べることが好きな人の多くは薄い味を敬遠し濃い味を好む傾向にあります。濃い味の食べ物を食べれば当然喉が渇きますのでお酒が進みます。お酒が進めば同様に胃酸の分泌も活発になります。
そしてこういった食生活を継続して続けているとやがて逆流性食道炎を引き起こしやすくなるのです。
ではここで逆流性食道炎を引き起こしやすいメニューをチェックしていきます。いくつかの食事メニューを出しますので、YES、NOでチェックを入れていってください。
1・揚げ物が好きだ。
2・焼肉へ2週に1回は行く
3・お酒は毎日、特にビールは好き
4・ビールは嫌いだけど炭酸飲料は好き
5・焼酎や度数の高いお酒は割って飲むのが嫌い
6・普段からマヨネーズの使用頻度が高く1ヶ月に1本は買っている
7・ご飯、芋料理、スパゲッティ、うどんが大好き
8・カレーや麺類は食べるというより飲んでいる
9・極端に辛い食べ物が好き
10・食後はいつも横になる。そして気づいたら寝ている
さていかがでしたでしょうか?いくつ該当がありましたか?このチェック項目の本来の意図は、「どれだけ自分自身の食事が管理できているのか」ということ。
逆流性食道炎を起こしやすい人の多くは味にうるさくても、食事量や食べ合わせなどはあまり考えていません。
今チェックした項目の多くが実は食事の管理がしっかりできていないタイプの人が「無意識にやってしまっている」ものを集めたものです。
お気づきかもしれませんが、このチェック項目は
しかし太るのは結果であって、その前段階として逆流性食道炎があります。つまり言い換えるなら、太っていて、食べ物の味にうるさい半面、食事内容はあまり管理できていない人は逆流性食道炎になりやすい発生因子を持っているのです。
逆流性食道炎の検査方法とは?
逆流性食道炎にかかっているかどうかを検査しようとした際、もっとも一般的な方法として内視鏡検査があります。
しかし実際に内視鏡検査をしなくてもすでに激しい胸焼けや、胃痛、咳き込みなどの症状が起きているわけですから、ほぼ逆流性食道炎であることは間違えないわけですが、では内視鏡検査で何を見るかというと、喉から食道、胃にかけての炎症具合を診ます。
逆流性食道炎をあまりに長期間放置していると、やがてそこがポリープとなる場合やひどい場合はがん化する場合もあり、この内視鏡の検査はそういったがんの早期発見の目的もあるのです。
ではどこで内視鏡の検査は受診できるのかというと、通常は消化器科や内科で症状を伝え、内視鏡検査となりますが、この検査はすぐには実施することはできません。
当然、胃に物が入っている状態では検査することはできず、まず胃の中を空っぽにしてから検査は行われます。したがって検査を受ける前にやっておかなくてはならないこととして以下のことを守ってください。
それ以外にも医師から個別に当日検査までの指示があるかもしれませんが、基本的には上記4つの注意点が基本となります。
検査当日はまず最初に消泡剤を飲みます。これは胃の中の細かな泡を消す薬でこれを飲まないときれいな胃の中がカメラに写りません。
次に一時的に胃の運動を停止させる注射を打ちます。そして最後に喉に麻酔を打ちます。ここまでがカメラを入れる前の段階。これで準備完了です。
そしていよいよカメラを食道から胃にかけて入れることになりますが、なにぶん普通は見ることのできない初めて見る自分自身の内臓ですから緊張もするでしょう。
しかしここはできるだけリラックスしてマウスピースをくわえて下さい。医師が少しづつ内視鏡を口の中から入れていきますので、モニターに映し出されるご自身の食道に対して医師が細かく解説してくれます。
このように実際の検査は検査前の4つの注意事項と検査直前の3つの準備を経るだけで内視鏡検査に入ることができます。
またこの内視鏡も昔あったホースのような内視鏡から、現在は光ファイバーくらいの細さの内視鏡になりましたので、以前のような苦痛はさほど感じないのではないでしょうか。
また検査時間も長くて15分程度。そんなに心配は要りません。リラックスして検査に望みましょう。