日頃、普通に健康的な生活を送っていても、どういうわけか激しい胸やけと、食道を焼くような感覚、そして激しい胸痛に苦しめられるようであれば、もしかしたらそれは逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎とは昨今、患者数が急激に増加してきている病気で、症状としては胃酸がなんらかの原因で大量に分泌されることで、それが胃から食道を逆流し、食道内が激しく炎症を起こすことで胸焼けや、のどの痛み、咳や胸痛を発症させます。
胃酸とは本来逆流するものではなく、胃の中で分泌され、そこで待機しているもののはずなのに、食生活の乱れや生活習慣、また服装の影響など複合的な要因で胃酸が逆流し食道内を流れることで食道が大きなダメージを被ります。そもそも胃酸とはご存知のように強塩酸が主成分で、
それが食道内に流れてくるわけですから当然ダメージは甚大です。
そしてダメージを負った食道はその異物である胃酸を吐き出さそうとするため、咳をします。こういったことが長期化してるとやがて胸痛を併発します。
さすがにここまで来ると自身の体の変調に気づくでしょうから、病院へ駆け込む人が多くなります。この逆流性食道炎の原因は出過ぎた胃酸が原因。
従って病院では食道から胃にかけて検査し、状態を確認した上で薬を処方します。
基本的に逆流性食道炎は薬で治療できる病気ですが、ただ非常に根が深い病気ですので長期戦になる可能性がありますので根気よく治療していく覚悟が必要です。
目次
背中の痛みと胸痛は逆流性食道炎のシグナル
逆流性食道炎とは胃の中で分泌された消化液である胃酸が何らかの原因で逆流し、食道を流れていく症状で、この症状により激しい胸やけや咳、またのどの痛みや胸痛が発症します。
また逆流性食道炎になりそれをずっと放置していると、今まで以上に胸焼けがとまらなくなり、胃から上がって来るげっぷの頻度も増え、咳き込むことが多くなります。
すると今度は息をする度に背中が痛くなり、最終的には呼吸そのものが辛くなるようになるのです。
この症状が出るようになったら、まずは逆流性食道炎を疑い消化器科を受診しましょう。そもそも逆流性食道炎の原因はさまざまなものが複合的に絡んでいるのですが、
にあります。特に服装はズボンのベルトを強く締め過ぎている。また胸部を圧迫するような服を好んで着ているなど。
そして食生活においては肉や米といった油と炭水化物が主体の食事を好んで取っておりさらに、食事時間も極めて短い傾向にあります。つまりほとんど噛まずに食べているのです。
こうなるとしっかり噛み砕かれていない食べ物が胃の中へ送られることになり、胃の中では普段以上にたくさんの消化液を出さなくてはならなくなります。
そのため、その出過ぎた胃酸が洋服の腹圧によって逆流しやすくなるのです。
逆流性食道炎とは非常につらい症状ですし不快な日々を送らなくてはなりません。
もし原因が食事や生活習慣にあるのであれば一度これらを見直してみるという事が大事ですし、それでも完治しない様であれば一度専門の診断が必要になります。
胸痛の対処方法
逆流性食道炎になったことが明確になったのであれば、その症状から一刻も早く解放するために動かなくてはなりません。
まず、逆流性食道炎の症状の一つである胸痛ですが、この原因は逆流した胃酸が原因ですので、胃酸の分泌を抑える事が重要。そして
一つは食事療法で抑える方法と、もう一つが薬で抑える方法です。また薬も専門ドクターから処方される薬と、一般の薬局などで購入できる胃薬があります。
ではこの対処方法として食事療法から説明しますが、胃酸の出を抑える食品というのはないのですが、出た胃酸を薄くする、または固める効果のある食品として牛乳があります。
牛乳の主成分はタンパク質。一方胃酸の主成分は塩酸です。酸はタンパク質を一緒になると固まります。ご自宅にお酢があればそのお酢に牛乳を入れてみましょう。
するとヨーグルトのように凝固したはずです。これはタンパク質が酸を固める事で起きる現象で、この時点で胃酸の濃度はかなりさがります
。
これと同じような効果は植物性タンパク質でもある、大豆などでも同じような効果が期待できますので、豆乳を飲むことも効果的です。
しかし胸痛が始まるということは、症状はかなり重篤化している可能性があり、もしこれらの食事療法の効果が表れないようであれば、いよいよ専門ドクターに観てもらうか、薬を使った治療が必要。
その薬も胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカー配合や、胃酸を胃の中で出す信号を根元からブロックするプロトンポンプ阻害薬といった薬を服用しなくてはなりません。
これらは街の薬局でも買う事はできますが、症状が軽めの方向けのお薬ですから効き目が弱い可能性があります。
もし一定期間の服用を続けても効果が表れないようであれば、最終的には専門ドクターへ相談し、内視鏡検査といった検査をした上で薬を処方してもらうほかないでしょう。
では、その判断となる市販薬を服用する一定期間の基準ですが、これは短ければ2日、長くても4日で切り上げなくてはなりません。4日服用して効果がないようであれば、専門ドクターへ相談した方が良いでしょう。
また実際、ドクターが処方する胃薬は非常に高価の高いものが多く、市販薬を服用するよりも完治するまでの期間が短く済みます。
従ってどうしても苦しい症状から解放されたいのであれば、最終的には胃カメラ検査をした上での医師が処方する胃薬を服用することが最短の方法になります。
食べ物が詰まる感覚を覚えたら逆流性食道炎
逆流性食道炎は食道の炎症により起きる病気ですが、これは胃酸が食道内を通過することで、食道内が炎症を起こし、場合によっては食道が細くなってしまう食道狭窄を起こした時に何かを食べた時、のどに詰まるような感覚を覚えます。
また逆に食べたものが逆流するも、のどのあたりでつっかえたような感覚を覚える事もあります。これが逆流性食道炎の症状です。
この段階になると既に慢性的な胸やけが常態化して、頻繁にげっぷが出る、または咳が止まらないなどの症状が出ているはずです。またこの食道内の炎症が悪化していくと最悪食道がんのリスクもはらんでいるのです。
従ってこの逆流性食道炎には適切な処置が必要となってきます。最も効果的な方法としてはポロトンポンプ阻害薬を医師から処方してもらう事で、症状がかなり緩和します。
またH2ブロッカー配合の市販薬などでも症状は改善しますが、これはあくまで一時的な処置であり、根本的な治療にはなりません。
またこれらの薬を日常的に服用していると癖になり、やがて薬そのものが利かなくなる可能性があります。
従って薬を使った治療も有効ではありますが、根本的に胃酸を逆流させない環境を作ることが何より有効な対策であります。
要は普段の食生活の中で胃酸を必要以上に出さないような食事をする事が重要で、例えば激辛料理は避けるとか、アルコール度数の高いお酒は多量に飲まないなどの対策が必要で、これによって薬に依存しない治療が可能となります。
逆流性食道炎は根の深い病気で、何十年と付き合っていかなくてはならない病気です。できるだけ薬に依存しない方法で治療していく事を主眼に置きましょう。
食べ物が詰まる感覚は重症化?
逆流性食道炎の初期症状として、引く事のない胸やけと、げっぷや咳がありますが、これらすべて食道内部を逆流した胃酸が食道内を刺激することにより起きる症状で、これをずっと我慢し続け放置するとどうなるかといいますと、食道内が徐々にただれ出してきて、食道内部が腫れてきます。
この腫れの症状を食道狭窄症と呼び、逆流性食道炎のかなり重症化した症状をいいます。自覚症状としては食事をしていると喉に詰まるような感覚や、食事を飲み込む際、違和感を覚え非常に苦労します。
これは食道内部に強い胃酸が逆流したことで、腫れが起き食道内部が細くなり、食事が喉を通りにくくなっている為で、一刻も早く医師による治療が必要。
逆流性食道炎の特徴は症状が出ている時は非常に不快で、時には胃液を嘔吐する事もあるくらい辛い症状なのですが、症状がいったん収まってしまうと普通に日常生活を送ることができます。
つまり医師から逆流性食道炎と診断されない限り、いくら食べ物がのどに詰まる感覚を覚えていたとしても一過性の症状で、単なる食べ過ぎ飲みすぎによる胸やけとしか思わないのです。
しかし逆流性食道炎から来る激しい胸やけや吐き気をずっと我慢していると食道狭窄症から、今度は食道がんを起こす可能性もあり、食道狭窄症になった時点でかなり危険な状況です。従って一刻も早く医師に相談し、食道内部を見てもらうようにしなくてはなりません。
突然の嘔吐や吐き気は逆流性食道炎かも?
いつものように食事をしたあと、ちょっとウトウトしていたら突然、猛烈な吐き気や食道が焼けるようにムカムカした経験はありませんか?
またひどい場合はそのまま嘔吐してしまったりすることもありますが、これらの症状はもしかしたら逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎とはなんらかの原因で出過ぎた胃酸が胃から食道を逆流し、ひどい場合はそのまま胃液や胃の中の食べ物を戻してしまう症状で昨今、この病気になる人が増えています。
この逆流性食道炎の原因として、最も大きな原因が腹部の圧迫です。
それ以外にも肥満や食事の欧米化なども原因としてありますが、殆どの場合、腹部を必要以上に締め付けない事である程度の症状緩和が期待できます。
腹部を圧迫するとどうしても外部からの圧迫により胃の中のものが上がってきやすくなりますし、また食事内容がお肉中心の欧米化により、胃の中の胃酸が通常より多く出ます。
さらに食事時間が短いと、胃の中で食べ物が消化されるまでの時間が長くなりますので、さらに多くの胃酸を分泌させなくてはなりません。こういったことが要因で逆流性食道炎は起きやすくなります。
ではこの症状を抑えるにはどうしたら良いかと言いますと、まず腹圧をかけすぎない服装に心がける事です。
たとえばベルトは締めすぎてはいませんか?ベルトを締め付けすぎると腹圧が上がり、胃酸が逆流しやすくなります。
また食事時間も極力長く取るようにし、噛む回数を増やし消化しやすくする必要があります。食事内容はともかくこれだけでかなりの症状の緩和が期待できるでしょう。
夜、寝ている時の咳は逆流性食道炎かも?
誰だって寝ている時に咳くらいはしますが、問題はその咳の仕方です。寝ている時の咳払いくらいは誰だってありますが、明らかにえづくような激しい咳をしており、さらに慢性的に胸やけに悩まされているのであればもしかしたらそれは逆流性食道炎の可能性があります。
逆流性食道炎は出過ぎた胃酸が、ズボンのベルトなど腹圧が原因で胃から食道へ上がってくる症状が特徴としてありますが、胃酸が上がって来るタイミングは起きている時も寝ている時も容赦なく上がってきます。
特に寝ている時はしっかりと睡眠状態に入っている為、胃酸が上がってきたことに気づき、起きようとする前に嘔吐してしまう事もあります。
この逆流性食道炎はその前兆として日常的な胸やけ、むかつきの症状があり、激しい咳の元凶はこれであると言っても過言ではありません。
もし寝ている時にえづくような激しい咳をしているのであれば、それはタダの咳ではなく、喘息でもない、逆流性食道炎の可能性があります。
逆流性食道炎は放置しても絶対に完治することはなく、放置すれば食道がんになる可能性もある怖い病気。
免疫力だけで治していく自然治癒の方法もありますが、胃酸をコントロールする薬を使った治療が最も効果的。一度薬剤師に相談されてみた方が良いかもしれません。
咳や痰に血が混入!逆流性食道炎じゃない?
逆流性食道炎の原因は出過ぎた胃酸が食道を焼き、その部分が炎症することでひどい胸やけや、突発的な咳や痰が出ます。
この咳や痰は食道の異物を取り除こうと体が自分の意思とは別に反応しているのです。つまりこの時点で食道に入り込んだ胃酸は異物とみなされているため、それを排除するために咳をし、痰とからめて体外へ出そうとします。
しかし逆流性食道炎が悪化していくと、この痰の中に血が混ざることがあります。
逆流性食道炎の咳や痰は食道内の異物を体外へ排出させるために行うものであり、それに血が混ざっているとなると、もはやそれは逆流性食道炎ではなく別な病気の疑いがあります。
通常痰に血が混ざるという事は食道や肺の中で出血している可能性があります。
一般的に痰に鮮やかな鮮血が混ざると早期の肺がんの疑いがありますし、それ以外にも肺炎や気管支炎、気管支拡張症や結核、肺気腫、肺梗塞などの疑いがありますので、速やかに医師に相談が必要です。
逆流性食道炎を悪化させる要因の一つにタバコがありますが、これらの症状はすべてタバコも大きく関係している病気ばかり。
タバコを吸う事で、胃酸の分泌を必要以上に促進させ、それが逆流し逆流性食道炎になる。またそのタバコが肺や横隔膜にもダメージを与え、それが結果的に血痰となって逆流性食道炎とは別な症状を引き起こしているのです。
つまり喫煙習慣というのは人体の様々な箇所に悪影響を及ぼしているのです。